税金はややこしい!でも知りたい!
そんな要望にお応えするため
経理マンの私が法人税について解説します!
わかりやすいように登場人物を紹介しておきます
今回は、「受取配当金」について解説します!
まずはいつもの寸劇から・・・
♪~~
ご機嫌ね。どうしたの?
最近勉強のために株を買ったんです!
今日配当の通知が来てて、つい嬉しくて
なるほど。
配当といえば、法人税の配当は別表があったのを覚えてる?
今回は受取配当金です。
配当は個人でも受取ますが、法人も株式を保有します。
受取配当金に必要な調整を見ていきましょう!
受取配当金は二重課税を防ぐもの!
まずは、基本的なところから!
受取配当金になぜ調整が必要になるか。
ずばり、二重課税を防ぐためです。
こんなケースを考えればわかりやすいです。
S社は決算を終えて法人税を支払いと配当の振込を終え、A氏とT社はS社から10万円ずつ配当されますね。
次はT社の決算です。
本来のルールは無視してこれに法人税が課税されたらどうなるでしょう?
税引前利益が10万円。仮に法人税が2万円だったとして、当期利益が8万円。
S社は配当には法人税が課税済みなのに、T社にも受取配当金で法人税が課税されるのは変ですよね。
税金は原則として、同じ名目のものに二重課税されることはありません。
なので受取配当金は益金不算入となります。
二重課税、ダメ!
受取配当金は保有株式の比率によって益金不算入額が変わる
受取配当金について、もう1つだけポイントがあります。
それは、株式の保有率に応じて益金不算入額が変わるということ。長く・多く保有している会社の株式ほど不算入額が増えます。
具体的には次の4つのレベルに分かれます。
投資目的 | 分類 | 保有比率 | 益金不算入額 |
強 | 完全子会社株式 | 100% | 配当全額 |
↑ | 関連法人株式 | 1/3超 | 配当-控除負債利子 |
↓ | その他株式 | それ以外 | 配当の50% |
弱 | 非支配目的株式 | 5%以下 | 配当の20% |
完全子会社株式と関連法人株式には保有期間にも条件がつきます。
完全子会社株式は当該決算期中ずっと、関連法人株式は当該決算期の半分以上1/3超保有しなければ適応できません。
要するに、上に行けば行くほど財テク目的での一時的な調整余地がないということです。
計算方法
ここから経理向けのお話です
では、益金不算入額を計算してみましょう。
ややこしいのは関連法人株式のみ他の3つより計算が複雑です。
投資目的 | 分類 | 保有比率 | 益金不算入額 |
高 | 完全子会社株式 | 100% | 配当全額 |
↑ | 関連法人株式 | 1/3超 | 配当-控除負債利子 |
↓ | その他株式 | それ以外 | 配当の50% |
低 | 非支配目的株式 | 5%以下 | 配当の20% |
控除負債利子の計算式はこうなってます。
なぜ控除負債利子を除くかというと、株式取得のための資金調達で借入が発生することもあるでしょう。
その場合、益金は不算入なのに利子は損金算入なんておいしい話があるでしょうか?
益金不算入の買い物の調達で発生した利子も損金にならないと考えられるので、益金から差し引きするわけですね。
なので資金調達と無縁の利子(延滞税、利子税、売上割引)などは上記計算の支払利子には含まれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
最後にまとめて終了にします!
ではまた次回の記事でお会いしましょう!!