☆この記事でわかること
・機械装置と器具備品の近い
・機械装置は複雑で大規模、可搬性なし、工程の一部
・器具備品は単純で小規模、可搬性あり、独立に機能
メーカーで経理をしていると、
これは器具備品?機械装置?どっちだろう?
こんなことがよくあります。
今回は、税務大学校が出している研究論文を参考に
私が実務で培った器具備品と機械装置の違いについて解説します。
機械装置・器具備品ってどういうもの?
まずは結論から。
大まかには下の表のように考えてます。
機械装置 | 器具備品 | |
規模 | 大規模・複雑 | 小規模・単純 |
用途 | 製造・店舗 | 事務 |
機能 | 工程の一部 | 独立に機能 |
この表の情報を踏まえて税務大学校の研究論文での見解を見てみましょう。
機械装置にはこんな特徴があるといえますね。
・物体に外部から力を与えて変形させる
・複数の資産が共通の目的のためにそれぞれの役割を果たす
パソコンや医療機器は単独で機能しますし、
物体を変形させないので、器具備品にあたるんですね。
実務面でのポイント
イメージが明確になったところで、実務面を考えてみましょう。
実務で判定に迷ったときの私の対処法をまとめました。
典型的なものはその通りに判定する
まず、典型的なものはそのままあてはめましょう。
パソコンは器具備品、マシニングセンターは機械装置という具合です。
こういった典型例は各自自体の償却資産税申告ページに具体例が書かれてますが、東京都、神奈川県茅ケ崎市など参考になります。
また、ジャパンネクス株式会社が公開している全力耐用年数というWebページも参考になります!
使用工程や使用部門で判断する
設備の詳細はなんとなくしかわからない場合を考えてみます。
たとえば、それが管理部門で使用するものなら機械装置になるでしょうか?
特定の製品を作るという目的のために、活動する部門でしょうか。
そうでないなら機械装置に当てはまる可能性は低いです。
可搬性を見る
これは私個人の考えなので、参考程度にしてください。
1つの基準として、私はその設備を平均的な成人が持ち運びできるかを考えてます。
機械装置の特徴は大型で複雑です。
そんなものを普通の人間が動かせるでしょうか?
仮に持ち運べるなら、客先の据付時やアフターサービスでも使用できるはず。
それなら、独立に使用できると解釈が成り立つのではないでしょうか。
このような考えのもと、私は持ち運べるかどうかを1つの基準にしています。
それでも迷ったら重要性の原則で判断!
迷った時の最後の砦は、重要性の原則から判断をするようにします。
つまり、この判断が会社の損益に与える判断に重要性があるかどうかです。
小規模な投資で且つ、筋が通る説明ができるなら耐用年数が短い方を選択すればよいでしょう。
一方でどちらかが成り立たないなら、税務的に保守的な判断をすればよいでしょう。
まとめ
機械装置と器具備品の違いは意外とシンプル。
この表につきます。
機械装置 | 器具備品 | |
規模 | 大規模・複雑 | 小規模・単純 |
用途 | 製造・店舗 | 事務 |
機能 | 工程の一部 | 独立に機能 |
そして、判断に迷ったときは重要性の適用から考える。
この2つで多くのものは判別できると思います!