みなさん、こんにちは。
リスモビアです。
前回に続く法人税基本講座です!
税金にまつわるネガティブなイメージを払拭するため、
経理マンの私が法人税について解説します!
前回の対話篇形式の記事が好評だったので、今回も対話篇方式でやっていきます!
法人税額を書く別表1
まずは概要です
別表1は法人税の一番最初の別表です。
最初にかかれているのは、税金の総額です。
お金納めてもらうのに合計金額が中盤・後半にあるのは嫌ですよね(笑)
では、そんな別表1には具体的に何を書くのか、説明していきます!
別表1の書き方
まず実物を見てみましょう!
法人税別表1の実物はこんな感じ。
実物は国税庁のHPにPDFがあるのでそちらも見てみてくださいね♪
法人税の計算でよく登場するのは左上の1~16までです。
特に重要なのが下のカラーで囲んだ項番です。
法人税額は別表4の金額を出してから次の3つの調整を入れて算出します。
表現を変えると、所得を出して法人税額が出たら3つの調整をかけて、その都度法人税額を調整します。
調整①:特別税額控除
1つ目は特別税額控除です。
政府は日本経済のために企業の研究開発や設備投資をしてほしいと思ってます。
なので政府の意図に沿った活動をする企業は税金を免除しており、免除される税金額をここで反映します。
たとえば、研究開発に使われたお金はここで控除されます
ちなみにこの制度は経産省の意向によって採用されたという話を聞いたことがあります。
国税や旧大蔵省は相当力のある省庁ですが、そこに要求をのませるなんてさすが経産省ですね。
調整②:留保金課税
2つ目は留保金課税です。
留保金とは、会社が稼いだお金のうち、配当等で株主に還元せず社内でためているお金のことです。
同族会社(詳細は⑥で解説)だと留保金をコントロールしやすいため、行政からすれば税金を調整されるような仕組みは好ましくありません。
そのため、内部留保のうち一定額を超えるとその部分に追加で課税され、その金額をここに追加します。
調整③:控除税額
3つ目は税額控除です。
前回の記事でも解説した通り、所得税や外国税は二重課税排除の観点から法人税から控除することができます。
税額控除を選択し、別表4で調整していた場合、ここで税額を差し引きます。
おしえて!チーフさん! ~この記事の補足~
すみません、いくつかわからないことがあるんですけど
何でも聞いてちょうだい♪
枠で囲ってないところは使わない?
枠で囲ってないところは使わないんですか?
たとえば項目5の連結納税の調整で説明します。
連結納税とは、グループ会社の法人税を一括で納める制度です。
なのでグループ会社のない企業が書くことはありません。
少し古いデータですが、4大会計事務所の一角、アーンスト・ヤング新日本有限責任監査法人が2008年に公開した調査によると、導入していたのは269社でした。
同年の国税庁の調査で内国法人が約260.3万社なので、0.01%しか使ってません。
該当する取引があれば使うけれど
記入する法人数は多くはないのよね。
項目17~32、33~49は何に使う?
項目17~32、33~49って何を書くんですか?
それぞれこんな感じです。
還付請求、欠損金という言葉は初出だと思うので解説です。
還付とは税金を返金してもらうことです。
法人税だとこんな場合が多いですね。
税金は複数回で分納するものが多いのです。
たとえば、法人税だと11月ごろに中間納付として前期の法人税額の半額を納付します。
しかし、この段階では税金が確定していないため、最終的に納めすぎだったということもあります。
そのような場合には納めすぎた税金を返してもらいます。
欠損金とは、マイナスの法人税のことです。
法人税は所得に税率をかけて算出しますが、中には赤字の企業もあります。
赤字を出した企業の法人税額は0円ではなく、マイナスになります。
しかし、お金を返すのではなく、赤字になった分は来期以降黒字になった税金から差し引いていいよという金額が欠損金です。
色付き枠のところはどう覚えたらいい?
重要なところの並びはどう覚えたらいいですか?
こんなのどうかしら?
まずは重要な項目のおさらいです。
これを頭文字をとるとこうなりますね。
しほとサリー、法子!!!
・・・・・・・
覚えられればなんでもいいんです(笑)
いい語呂合わせが浮かんだら教えてください。
ちなみに、「しほ」「サリ(ー)」「法子」だと有名なもの・人はこんな感じ。
ポイント:中小法人は800万円まで税率が低い!
法人税額は、次の2つの条件を満たす企業は800万円まで税率が低いです。
中小法人は大企業ほど財務基盤が強固でないため、税負担が軽く設定されています。
ただし、完全子会社(親会社が100%株式を保有する企業)は大手企業のバックアップがあるため、s対象外になります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
別表1は法人税額を書くシートです。
別表4と別表1のつながりを頭に入れて理解を深めておきましょう!
では最後におさらいです。