経理・財務・税務

現役経理マンによる法人税基本講座! ⑥ジョジョと遊戯王から学ぶ 法人税別表(2)

※本サイト内のリンクには広告リンクを含むものがあります。

こんにちは、リスモビアです。

 

経理マンが教える法人税講座!別表4→1と来て、次は2です!

 

お堅い話題をなぜジョジョと遊戯王で説明するのか。

 

どちらも詳しい人でないと全くピンとこないと思います。

 

ですが、読めば納得いただけると思います!

法人税別表2とは?

法人税別表(2)は、法的に同族会社に該当するかどうかを判定するためのものです。

 

ここでいう同族とは、ある法人に対して一定率以上の株保有や血縁関係がある株主を指します。

 

なぜそんなことを確認するとかというと、税務署から見たときに租税回避がしやすいからです。

たとえば、配当金。

配当金は益金不算入です。

 

配当金は、株主総会にて株主が承認することで金額が決まるため、株主の影響力が強いと自由に操作することができます。

 

税務署としては恣意的に法人税の負担を調整されるのは困るため、同族会社には一定の規程が設けて不当な租税回避を防ぎたいわけです。

なぜジョジョの奇妙な冒険と遊戯王?

なぜ、ジョジョと遊戯王で説明するのか。

それは題材に血縁と大企業が少なからず関わるからです。

 

解説したように、別表(2)では血縁関係と支配関係を確認し、その企業が法人税を操作しやすい組織になっていないかを確認するためのものです。

 

その題材もフィクションから持ってきた方がきっとイメージが持ちやすく、親近感も増すことでしょう!

 

では、ジョジョや遊戯王を知らない人のために簡単に作品概要を紹介します。

ジョジョの奇妙な冒険とは?

ジョジョの奇妙な冒険は1987年から週刊少年ジャンプに掲載されてから、主役や舞台をを変えながら現在も連載が続く人気シリーズです(2005年以降はウルトラジャンプにて掲載)

 

初代主人公のジョナサン・ジョースターから孫、玄孫(孫の孫。やしゃごと読みます)と主人公が変わります。

 

血縁関係の説明にはうってつけですね。

遊☆戯☆王とは?

遊☆戯☆王シリーズは1996年に少年ジャンプに掲載された人気漫画。

 

題材になっているトレーディングカードゲームのことは皆さんご存知かと思います。

 

遊☆戯☆王シリーズもジョジョと同じく、主人公や舞台を変えて現在は第7シリーズが放送中です。第4作の遊☆戯☆王ZEXALから、初代遊☆戯☆王との関連性への言及はなくなり、同じトレーディングカードゲームを題材した作品になってます。

 

詳しくは後述しますが、第一作目の遊☆戯☆王 主人公の武藤遊戯のライバルの海馬瀬人という人物がいます。

 

高校生にして大企業CEOというとんでもない設定の人。

 

アニメオリジナルストーリーでは現在彼が代表を務める海場コーポレーションの前代表、海馬剛三郎の養子であることが判明し、株の買い占めにより強引に代表の座を奪ってます。

 

続編の遊☆戯☆王GXでは、舞台となる全寮制学園のオーナーとして登場します。

 

私は彼ほど意外性があって且つ別表(2)の説明にふさわしい題材が思い浮かびませんでした(笑)

 

ジョジョも遊戯王も知らないという人はU-NEXTなどの動画配信サービスやDMM.COMなどのマンガ配信サービスをチェックしてみてください。

 





 

法人税別表(2)で確認する項目

別表(2)では、次の2点を確認します。

 

・株主が3人より多いかどうか

・特殊な関係にある個人や法人が50%超の議決権を有していないか

 

「特殊な関係にある」というのは、次の場合が該当します。

  

【特殊な関係にある個人】
1.株主等の親族(配偶者、六親等以内の血族、三親等以内の姻族)
2.株主等と事実上の内縁関係にある者
3.株主等の使用人
4.株主等から受ける金銭やその他の資産により生計を立てている者
5.4の親族

【特殊な関係にある法人】
後述します

ちなみに、1の定義は民法第725条により親族と一致します。

これに該当すれば同族会社とみなされて、留保金課税がかかります。

留保金課税の説明はあとでするとして、ジョジョと遊戯王に当てはめてみましょう。

 

ジョジョの奇妙な冒険で学ぶ特殊な関係にある個人

ジョジョの奇妙な冒険は1~6部と7~8部は舞台が変わります(7~8部は並行世界という設定)

今回は1~6部を事例にします。

 

まずは家系図を示します。

筆者作成

実線は血縁関係で、点線は内縁関係です。

(血縁には詳しくないので厳密には間違っていても許してください)

 

ジョジョの血縁関係はややこしいのでWikipedeiaを見てください。

この図で、第2部主人公のジョセフ・ジョースターを事例にします。

(原作でも不動産会社を所有しています)

 

で、ややこしいのは特殊な関係を持つ個人の考え方。

 

仮にジョースター不動産の株主が次のように構成されていたとしましょう。

株主保有率
ジョセフ15%
シーザー(ジョセフの友人)15%
スモーキー(ジョセフの友人)15%
ホリィ10%
承太郎5%
徐倫5%
ジョナサン5%
ジョージ5%
その他(血縁なし)25%

この場合、ジョースター不動産は同族会社になるでしょうか?

 

単純な保有数だけみれば、ジョセフ15%、シーザー15%、スモーキー15%で45%となります。

ですがジョースター不動産は同族会社になります。

なぜなら、株式数を数える時ジョセフの株式は本人+特殊な関係を持つ個人になるからです。

 

なので、ホリィ、承太郎、徐倫、ジョナサン、ジョージの株式を合わせた40%が計算時の株式数になります。

 

このように、株主+特殊な関係を持つ個人の株式数を確認し、最も多い3名の比率が50%を超える会社が同族会社になります。

遊☆戯☆王で学ぶ特殊な関係にある法人

続いて法人の場合を見てみましょう。

 

海馬コーポレーションは作中では主人公のライバル 海馬瀬人が代表を務めてます。

しかし、アニメオリジナルではこんな設定が。

 

・剛三郎時代、海馬コーポレーションは軍需産業が主力事業だった

・瀬人と5人の重鎮で株の買い占めを行い、49%の株を入手

・瀬人の弟の木馬が剛三郎から寝返り、瀬人側で51%保有。剛三郎を追放。

・瀬人がワンマンで経営するように。軍需産業から撤退してカードゲーム事業へ転換。

・カードゲームが軌道に乗り、遊園地、学校経営へ事業を拡大

 

不良がいる高校の生徒とは到底思えない経歴・・・

 

それはさておき、ここでは海馬コーポレーションを勝手に以下の会社から成るグループ会社だとしましょう。

会社名事業内容代表
海馬コーポレーション(以下KC)ゲームシステムの製造販売会社海馬瀬人
海馬カード㈱トレーディングカードゲームの販売会社Aさん
カイバーランド㈱遊園地”カイバーランド”を運営Bさん
デュエルアカデミア㈱デュエルアカデミアを運営鮫島

 

この前提で「特殊な関係にある法人」を説明します。

【特殊な関係にある法人】
①株主等の1人(前述の特殊な関係にある個人)で支配している他の会社
②株主等の1人と①の会社とで支配している他の会社
③株主等の1人と①及び②の会社とで支配している他の会社

要は3社未満の法人・個人で支配している会社ですね。

 

ジョジョでは個人の例で説明しました。

ですが、上位3社で50%以上の株を保有している会社は同族会社となります。

 

例えばA社をKC、海馬カード、カイバーランドで株式を全て保有していた場合、A社は同族会社になります。

しかし、KC、海馬カード、カイバーランドで株式の45%(3社15%ずつ)を保有し、残り55%を11社で5%ずつ保有していた場合、A社は同族会社に当たりません。

同族会社だと何が不利になる?

 

同族会社には留保金に課税がされます。

詳細は後日別記事にてまとめます。

 

まとめ

いかがでしょうか。

 

端的にいうと、少数の株主で支配している会社は特別な課税をします。

なので、同族会社に当たるかどうか判定してくださいね。というが別表2です。

 

・・・正直コミカルにかまけすぎてわかりにくかったかもしれません。

ので、近いうちに書き直すかもです。

-経理・財務・税務